現在、日本の広告はインターネット広告が主流となっており、多くの企業がリスティング広告やSNS広告に取り組んでいます。そしてSNS広告の中でも、多彩な配信面と魅力的な訴求が可能なInstagram広告に取り組み、成果を伸ばしている企業は多くあります。

しかし、実際にInstagram広告に取り組んでみたものの、思うような成果が得られずに悩んでいる担当者の方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、Instagram広告で効果が出ない原因や解決策、効果的に運用するためのポイントを紹介します。

Instagram広告の特徴

Instagram広告は、適切に運用することができれば高い費用対効果を発揮する広告です。Instagram広告が高い費用対効果を発揮できるのは、主に以下の特徴があるからです。

広告が受け入れられやすい

Instagramは、他のSNSよりも比較的広告が受け入れられやすいという特徴があります。これは、潜在層や非認知層にアプローチする上で非常に大きなアドバンテージです。

Instagramは、独自のアルゴリズムが優秀なので、関心が薄いユーザーに対して広告が表示される可能性が他のSNSよりも低いです。また、興味・関心のあるコンテンツに関する情報を収集する目的で使用しているユーザーが多く、表示されたコンテンツが広告だとしても興味を示すユーザーが多いです。

広告が自然と受け入れられやすいため、ブランドへの信頼感や購買意欲の向上を促進することができるでしょう。

ターゲット設定の正確性が高い

InstagramはFacebookのデータを活用しているため、ユーザーの年齢・性別・興味関心・行動履歴といったターゲット設定が可能です。Facebookに登録されているデータは正確性が高く、項目設定も細かくできるため、他のSNSよりも精度の高いターゲティングが可能となっています。

ターゲティングの精度が高いことで、適切なユーザーに狙って広告を届けやすくなり、効率的なコンバージョン獲得が期待できます。

魅力的な訴求がしやすい

Instagram広告は、画像や動画を活用したビジュアル重視の広告フォーマットが中心です。そのため、商品やブランドの世界観を直感的に伝えやすく、ユーザーの興味を引きやすいという強みがあります。

また、ストーリーズ広告やリール広告など、画面全体を活用した没入感のある広告フォーマットが充実しているという点も大きな特徴です。ビジュアルの訴求力を活かし、ユーザーの感情に響く魅力的な広告が配信できます。

Instagram広告で効果が出ない原因と解決策

ここからは、Instagram広告の効果が出ないときのよくある原因と、それに対する解決策を紹介します。

効果が出ない場合のよくある原因としては、以下のものが挙げられます。

予算が不足しているor多すぎる

広告システムは様々なデータを収集し、学習することで最適化されてパフォーマンスが向上していきます。しかし、広告予算が少ないと表示回数やクリック数が限られてしまい、学習に必要なデータが蓄積されず、最適化が進みません。

また、オークション形式で広告の配信有無や配信面を決定しているため、競合に負けてしまうと効果の期待できる配信面で配信できなかったり、そもそも広告がほとんど表示されなかったりする可能性があります。達成したい目標や競合の出稿状況などによって適切な予算は変わってきますが、少なくとも月額5~10万円程度で運用して効果を測定し、適正な予算を見極めていきましょう。

ただし、広告予算が高額であれば効果が高まるというわけではありません。過剰な予算を設定すると、同じユーザーに何度も広告が表示されて飽和状態になったり、関心の薄いユーザーに表示される回数が多くなったりして、費用対効果が悪化する可能性があります。

まずは少額からテスト的に運用し、効果を測定しながら徐々に予算を増額していって適切な予算に調整していくことをおすすめします。

ターゲットが漠然としているor絞り過ぎている

広告の成果を高めるためには、商材やサービスに合わせて適切なペルソナを設定することが重要です。そして、ペルソナに広告がしっかりと届くようにするためには、ユーザーの年齢・性別・地域・興味関心などのターゲット設定をする必要があります。

このターゲット設定がしっかりできていなければ、関心の薄いユーザーにまで広告が表示され、期待する効果が得られないでしょう。

反対に、ターゲットをしっかり設定しているのに効果が出ない場合、ターゲットを絞り過ぎているかもしれません。ターゲットを絞り過ぎていると、オーディエンスが不足して機械学習が進まなかったり、同じユーザーに何度も表示されて飽きられてしまったりする可能性があります。

Instagramは独自のアルゴリズムが優秀なので、かっちりターゲットを絞り込まなくても、ある程度自動で効果が見込めそうなユーザーにリーチしてくれます。このような媒体の特性を活かし、適切にターゲットを設定しましょう。

目的と入札戦略がマッチしていない

広告を配信する際は、達成したい目標を設定することが重要です。

  • フォロワーを増やす
  • ブランド認知度を向上する
  • お問い合わせを増やす
  • 投稿のエンゲージメントを向上させる

など、様々な目標があると思いますが、その目標に合わせて広告の入札戦略も設定しましょう。適切な入札戦略を設定することで、広告システムは重視する指標を判断し、それが最大化されるように学習して広告を配信するようになります。

例えば、お問い合わせを増加させるために広告を配信するのであれば、コンバージョンを重視する入札戦略を設定するなどです。「お問い合わせを増やしたいけどフォロワーも増やしたい」というように、複数の目標があるのであれば、それぞれキャンペーンを分けて適切な入札戦略とクリエイティブを設定することをおすすめします。

クリエイティブの質が低い

Instagram広告にはビジュアルの訴求が強いという特性があるため、クリエイティブの質が効果に大きな影響を与えます。しっかりと予算をかけて適切なターゲット設定をして配信しても、表示されたユーザーが魅力的に感じなければクリックされず、なかなか効果が出ないということも珍しくありません。

クリエイティブの質を評価するためには、広告管理画面の「広告」タブで、品質ランキング・エンゲージメント率ランキング・コンバージョン率ランキングという指標をチェックしてみましょう。

  • 平均以上
  • 平均
  • 平均以下(下位35%)
  • 平均以下(下位20%)
  • 平均以下(下位10%)

上記のように、競合や同ジャンルの広告を比較して、自社の広告がどのように評価されているかがわかります。ただし、こちらのランキングの評価は必ず表示されるわけではなく、むしろ表示されていないタイミングの方が多いので、こまめにチェックすることをおすすめします。

クリエイティブが不足している

Instagram広告はビジュアル訴求が中心の広告なので、視覚的な新鮮さや刺激が重要です。同じクリエイティブが何度も繰り返し表示されると、ユーザーは見飽きてしまい、クリック率が低下します。最悪の場合「しつこい」などネガティブな印象を与えてしまうでしょう。

さらに、Metaも公式サイトで「広告の配信数が多い場合にコンバージョンの予測精度が高くなります。」(※)と発表しています。機械学習を効率的に促すためにも、クリエイティブの数は複数あった方がよいと捉えることができます。

さらに、クリエイティブを複数入稿することでユーザーにとってどのような訴求が魅力的か検証し、効果を測定して改善に繋げることができるという点も大きなメリットです。訴求軸を変えたり、ビジュアルのイメージを変えたりして、A/Bテストをしながら最適なクリエイティブを目指しましょう。

※引用:Metaビジネスヘルプセンター_広告数の管理について

LP(ランディングページ)の質が低い

広告のリンク先をWebサイトに設定している場合、LPの質が悪かったり広告との一貫性がなかったりすると、なかなか効果が得られないケースがあります。広告のクリック率が高いのにコンバージョン率が低い場合は、LPを見直してみることでコンバージョンが増加するかもしれません。

例えば、「バナーで記載している割引情報がLPの目立つ場所に掲載されておらず、割引を期待したユーザーがすぐに離脱してしまう」「バナーとLPのイメージが違い過ぎてすぐに離脱する」などが考えられます。Googleアナリティクスのような計測ツールを導入している場合、広告から流入してきたユーザーの行動を分析することで改善点が見つけられるかもしれません。

広告の成果を高めるためには、広告の質とLPの質の両方が重要だということを理解しておきましょう。

Instagram広告を効果的に運用するためのポイント

Instagram広告を効果的に運用して成果を高めるためには、以下のポイントを押さえておくことが大切です。

競合の広告を分析する

自社の広告と競合の広告を比較することで、改善するべきポイントや競合と比較して優れているポイントが見えてくるかもしれません。そのため、競合がどんなクリエイティブやテキストで広告を配信しているのか分析することをおすすめします。

Metaは、Metaプラットフォーム(Facebook、Instagram、Messengerなど)上に配信されている広告を検索できる「広告ライブラリ」を提供しています。こちらで商品名やジャンル、競合アカウントを検索すると、どのような広告が配信されているのかを見ることが可能です。

ここで競合や同ジャンルの広告を分析し、改善点を見つけたり強みを伸ばしたりすることで、さらに広告の効果を高められる可能性があります。

カスタムオーディエンスを活用する

ターゲット設定の中にある、カスタムオーディエンス機能を活用することも、広告の効果を高めるうえで有効な手段です。カスタムオーディエンスとは、過去に自社と接点を持ったユーザー(サイト訪問者、顧客リストなど)に対して広告を配信・除外できるターゲティング機能です。

例えば、ECサイトで商品ページを閲覧したものの購入に至らなかったユーザーに対して、再度広告を表示することで購買意欲を高めるリターゲティング施策が可能になります。また、一度コンバージョンに至ったユーザーは配信対象から除外することもでき、無駄な配信を防ぐことも可能です。

さらに、カスタムオーディエンスとは別に、類似オーディエンスという機能もあります。類似オーディエンスとは、カスタムオーディエンスと共通した特徴(年齢・性別・興味関心・行動など)を持つユーザーを発掘し、広告を配信できる機能です。

これらの機能を活用することで、実際のデータに基づいた効率的な広告配信が可能となり、費用対効果を高められる可能性があります。

ただし、これらの機能を活用する際はいくつか注意点もあります。

1つ目に、カスタムオーディエンスの規模が小さすぎると広告の配信量が制限されるという点です。そのため、十分にオーディエンスリストが溜まってから活用するようにしましょう。

2つ目に、カスタムオーディエンスや類似オーディエンスを活用する際は、Metaに顧客情報を提供することになるという点です。情報はハッシュ化(暗号化)され、安全な状態でMetaに提供されますが、適切なプライバシーポリシーの管理やユーザーの同意取得を行う必要があります。

配信面や配信スケジュールを設定する

ターゲット設定をする際、ユーザーの年齢・性別・興味関心などの設定はしていても、配信面や配信スケジュールは細かく設定していないというケースがよくあります。配信面や配信スケジュールを限定することで、より精度の高い広告配信ができるようになり、パフォーマンスが改善される可能性があります。

配信面に関しては、「Instagram」や「Facebook」といったプラットフォームの設定はしていても、その中で「フィード」や「ストーリーズ」のような細かい配信面までは設定しないケースがあります。しかし、中には他の配信面と比較してクリック率やコンバージョン率が明らかに低い配信面があるかもしれません。そのような場合、パフォーマンスの悪い配信面を除外することも有効な改善策の1つです。

また、配信スケジュールに関しても、パフォーマンスが悪い時間帯・曜日を除外することで、パフォーマンスが向上する可能性があります。配信スケジュールを設定する際は、1日当たりの予算設定ではなく、配信期間を設定して通算予算で広告を配信する必要がありますが、その配信方法で問題なければ試してみるとよいでしょう。

配信面・配信スケジュールを設定する際は、なんとなくで決めるのではなく、しっかりと現状のパフォーマンスを分析して、根拠に基づいて設定することが重要です。レポート機能を活用して様々な切り口でパフォーマンスを分析することで、改善の糸口を見つけられるでしょう。

Instagram広告の運用はプロに任せよう

Instagram広告の効果が出ない際のよくある原因や解決策を解説しました。実際、効果が出ない場合は様々な要因が複雑に絡み合っている可能性が高いため、しっかりと現状を分析し、仮説を立てて検証を繰り返していくことが重要です。

しかし、アカウントを分析して課題を発見し、それに対して適切な施策を実施するのは容易なことではなく、専門的な知識や経験が必要になります。そのため、思うようにInstagram広告で効果が出ないという場合は、広告のプロである広告代理店に運用を依頼することがおすすめです。

株式会社フリースタイルエンターテイメントでは、Instagram広告をはじめとする各種SNS広告、リスティング広告などのWeb広告の運用代行サービスを提供しております。配信方法の見直しや戦略立案、クリエイティブ制作など一気通貫でトータルサポートが可能なので、ぜひお気軽にご相談ください。

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