企業の情報発信・情報伝達において、SNSの活用は当たり前になってきました。
その中で「SNSの自社運用がうまくいかない」「フォロワーが増えない」など、悩みを抱えている担当者の方も多いかと思います。
SNSマーケティングを成功させるためには、何より最初のステップが重要です。
本記事では、SNSの自社運用がうまくいかないと頭を悩ます担当者の方へ、SNSの自社運用をはじめる際、最初にするべきことを解説します。
SNSの自社運用がうまくいかない理由
前述した通り、SNSマーケティング成功のカギは【初動】にあります。
「自社運用が続かない」「フォロワーが伸びないなど」うまくいかない企業のSNSマーケティングには次のような問題点があります。
- SNSをはじめる目的が不透明なまま運用を行っている
- 自社事業やサービスの特性に合ったSNSを選べていない
- 運用のオペレーションを構築できていない
【フォロワーを増やすこと】を目的にしていませんか?
企業のSNS運用の本来の目的は、会社や商品・サービスの認知向上やファンの育成、将来的な売り上げアップであり、フォロワーを増やすことではありません。フォロワーはあくまで指標です。中間目標としては最適ですが、それ自体を目的にしてしまうと、結局はSNSを有効活用できないまま終わってしまいます。
【STEP.1】「SNS運用の目的」を固め、共有する
「SNSをはじめる目的」は、SNSを運用する上での【軸】となります。軸がなければ、運用している間に方向性や内容がブレてしまい、運用するうえでの課題抽出もできません。つまり、改善ができず、効果的な運用ができないということです。
自社が「SNSを行う目的」はなんですか?
これを固め、社内で共有することで投稿内容や運用方法に一貫性が生まれ、反響を得やすいです。また、ターゲットも明確化します。
目的を決定すれば、どの媒体を活用するか決定できる
自社事業・サービス、SNS運用の目的、ターゲットによって相性の良いSNSは異なります。それぞれのSNSの特長を捉え、最適な媒体を選定します。
四大SNSの月間アクティブユーザー数と簡単な特長・傾向
画像引用:https://www.facebook.com/facebook
- 月間アクティブユーザー:2,600万人
- 実名制が高く、ビジネスパーソンの利用が多いです。写真、動画を活用でき、ライブ配信も可能。キャプション(テキスト)にも上限がなく、制作するコンテンツの自由度が高いです。アクティブユーザーの年齢層で最も多いのは30代後半から50代です。
画像引用:https://www.instagram.com/instagram/
- 月間アクティブユーザー:3,300万人
- ビジュアルコミュニケーションに優れたSNSです。幅広い年齢層に利用されており、料理、ファッション、美容、旅行、飲食と幅広く活用されています。若年層の間で「ググる」に置き換えられた「タグる」はInstagramから来ていると考えられます。
画像引用:https://twitter.com/TwitterSafety
- 月間アクティブユーザー:4,500万人
- 趣味や関心でつながる、コミュニケーション特化型のSNSです。リアルタイム性、拡散力に優れているため1つの口コミからヒット商品が生まれ、市場の流れを一瞬で変えてしまう事例もいくつかあります。匿名性、拡散力が高いことから炎上もしやすく、運用する際には他のSNSより高いリテラシーが求められます。
【LINE】
画像引用:https://line.me/ja/
- 月間アクティブユーザー:8,400万人
- スマホ時代のインフラと言っても過言ではなく、利用者数は日本人口の半数以上。企業・店舗がユーザーに情報を発信をする際に利用するLINE公式アカウント(旧LINE@)は年々利用する企業を増やしています。プッシュ機能を使った情報の発信やスタンプ、クーポン配信など、多様性に優れリピーターを育てることに特化しています。
それぞれのSNSは、年々機能の拡充も目立ち始めています。それぞれのSNSの機能に注目することで、更にターゲットの区分や訴求の仕方をゾーニングすることもできますが、初めの間は、ターゲットや目的を1つに定め、基本の機能から活用するのがおすすめです。
※月間アクティブユーザー数は、2021年1月現在に発表されている数値です。
【STEP.2】運用チームを結成する
SNS運用の仕事は「手が空いたからやろう」といった行き当たりばったりの運用方法では成功できません。1つの業務として本格的に取組む必要があります。
これまでの業務にプラスし、SNS運用を行う労力やモチベーションの維持は並大抵ではありません。
実際には「はじめてみたら想像以上に大変」「思ったより社内体制づくりがうまくいかなかった」という声は多いです。
SNS運用は、会社全体で協力しながら運用オペレーションを整備する必要があります。大企業が専任の担当者やチームを用意するのであれば別ですが、中小企業や少人数で運営している会社では、それぞれが元々あった自分の仕事と並行して行うことが多いでしょう。
運用の方法やルールだけではなく、運用する社員1人ひとりのモチベーション維持やSNSに割く時間(工数)に関しても、全員で考え、相談しましょう。
「たった1人の担当者で成功」はリスクが大きい
企業のSNSマーケティングがはじまったころ、成功事例として話題に上がるのは、SNS担当者の個性やユニークさで人気が出たアカウントでした。
Twitterでトレンドが創り上げられる中で、大企業を中心にSNSを任された1人の担当者が四苦八苦しながらユーザーからの人気を積みあげてきたものです。
しかし、機能の拡充、ユーザー層の広がりで価値観の多様さが目立ち始めた中、たった1人が頑張る運用は続きません。単独の運用体制は、炎上などのリスクも高い確率でつきまといます。あらゆる人・価値観の視点から投稿内容を精査していくことが今後のSNSの一般的な運用方法になってくるでしょう。
【STEP.3】役割分担・運用方法を決定する
- 運用ルールづくり
- 当面の投稿内容(それに当てはめたスケジュール)
- 運用者の時間確保
- 各担当の役割分担
- 使用するツールの検討
- 効果検証、数値分析による改善サイクルのスケジュール
うまくいかない場合や初動の段階で運用が止まってしまった場合、外部の力を借りることもおすすめします。
SNSの運用方法やルールは最初から完璧なものを練り上げ、策定する必要はありません。実際に運用していきながら、自社にとって最適な運用スタイルを構築し、PDCAを繰り返していきましょう。
SNSの自社運用はなにより「初動」が大事!
規約やSNSのアルゴリズム(プログラム)を理解することや、クリエイティブの工夫・技術も必要ですが、それらは運用を続けていくことで社内共有が可能であり、人材採用などで補強が可能です。外部パートナーに協力を求めることでノウハウの強化も効率良くできます。
最初のステップとして大事なのは「SNSを行う目的」「SNS運用をどうしていくか、運用する時間をどうやって確保するか」を決定することです。
企業のSNS運用は簡単に始められることではありません。
特に専任とするチームをリソースとして確保できない企業は、大きな覚悟と社内協力を持って進めていく必要があります。
SNSマーケティングは「時間」と「お金」がかかる
片手間ではできない企業のSNSマーケティング。
すぐに売上や集客に効果があるマーケティング方法ではないため、時間がかかることにも覚悟がいります。
多くのリソースを必要としますが、成功すれば広告宣伝より費用対効果良く集客ができます。小さな企業が膨大な広告費を投じることなく大企業と競り合えるのがSNSなのです。