YouTube広告の画像

YouTubeへの広告出稿は動画視聴の前に流れる広告動画のイメージが強いですが、YouTube広告はそれだけではありません。YouTube広告のタイプは数種類あり、目的や伝えたい内容によってマッチするものが異なります。

アフターコロナ、5Gの時代にますます動画コンテンツは注目を浴び、動画広告は企業の関心も集めています。

今回は動画コンテンツ最大のプラットフォームであるYouTubeへ出稿できる広告の種類を特長と共に解説します。

インストリーム広告(スキップ可)

動画の前後や途中に再生される広告です。5秒経過するとスキップが選択できます。スキップ可能なインストリーム広告は、スキッパブル広告とも呼ばれます。

料金体系

ユーザーが30秒以上視聴(動画が30秒以下の場合は最後までの視聴)、もしくは30秒経過前に広告のURLをクリックした場合に費用が発生します。

メリット

  • 余計な費用が発生しない
  • ターゲットへうまくリーチできれば費用対効果が高い

解説

ユーザーが30秒以上視聴しなければ料金の発生がないので、  企業にとっては弱点のない動画広告のように見えますが、短い動画だとすぐに視聴が完了してしまうので、スキッパブル広告のメリットを活かせません。YouTubeを運営するGoogleの推奨は12秒以上、3分以下です。出稿の際には12秒以上の動画を用意しましょう。

また、ターゲットの興味・関心にマッチしているコンテンツ作りをしなければ、スキップが多くなり広告を出稿している意味がなくなってしまいます。

5秒でスキップ可能になるので、開始5秒でどれだけ視聴者の興味を引けるかも重要です。

「前に作った動画をそのまま使いたい」というお問い合わせもありますが、ありあわせの動画で出稿する場合、効果が期待できないことも多いです。

実際には広告出稿よりもコンテンツ作りに時間とお金がかかるかもしれません。

インストリーム広告(スキップ不可)

動画の前後や途中に再生される広告です。スキップ可能なものと違って、こちらは広告が開始された段階で費用が発生します。スキップ不可なインストリーム広告は、ノンスキッパブル広告とも呼ばれます。

動画のフォーマットは15秒以下になります。以前あった30秒のスキップ不可のインストリーム広告は、あまりにもユーザーの離脱を招くため2017年に廃止されました。

料金体系

1,000回広告が表示されるごとに料金が発生します。

メリット

  • スキップされないため、広告をすべて視聴してもらえる
  • 認知に大きく貢献できる

解説

最後まで視聴してもらえるスキップ不可のインストリーム広告は、多くのユーザーに視聴してもらえるため、認知を拡大したい場合に選ばれやすい広告です。

デメリットは、イメージダウンのリスクが高いことでしょう。強制的に流される広告に良いイメージを抱かないユーザーは一定数いると考えられます。

そのため、ユーザーを退屈させない高いクオリティの動画は必須です。さらにターゲティングも適切に行う必要があります。1人のユーザーに対して1回表示といった制限を付けることもおすすめします。この設定はフリークエンシーキャップと言います。

TrueView(トゥルービュー)ディスカバリー広告

ユーザーが動画を探すタイミングで表示される広告です。画像とテキストで構成されます。YouTube内における関連動画の横、検索結果上部、スマホ版YouTubeのトップなどに表示されます。

料金体系

クリック課金型の広告であるため、クリックされた場合のみ課金されます。

メリット

  • 動画の再生数アップが期待できる
  • 購買につながりやすいターゲットへの表示が可能

解説

ここまでご紹介してきたインストリーム広告は、ユーザーから見ると受動的な広告です。ユーザーが望む・望まないに関わらず表示される、言わば強制的な広告。それに対しTrueViewディスカバリー広告は、ユーザーがアクションを起こして受け取る広告です。こちらはプル型広告と呼ばれ、検索型広告と同様のしくみです。

そのため、インストリーム広告よりも興味・関心の高いユーザーがクリックする傾向にあります。コンバージョン(広告が目指すゴールやお問い合わせ)につながりやすく、質の高い集客を見込めることが大きな特長です。

バンパー広告

動画の前後や再生中に再生される6秒間の短い動画広告です。スキップはできません。

短い広告で簡潔にサービスや事業を伝えられることからGoogleは「動画広告の俳句」と表現しています。

料金体系

  • 1,000回広告が表示されるごとに料金が発生します。

メリット

  • 認知に大きく貢献できる
  • スキップ不可のインストリーム広告よりイメージダウンのリスクが低い
  • モバイルが優先され配信される

解説

スキップ不可のインストリーム広告と同じ内容のサービスではありますが、動画が6秒と短い分、ユーザーにストレスをかけず、離脱されにくいという特長があります。

しかし、動画広告の内容はより高度なものが求められます。

6秒間で簡潔に伝えることが重要で、よりインパクトが強い内容でなくては効果的な広告配信ができません。また、内容を盛り込み過ぎると1つひとつのメッセージが薄くなります。伝えたいことは1つに絞り、シンプルな内容にしましょう。

マウスヘッド広告

YouTubeトップ(ホーム画面)の上部に表示される広告です。

期間で広告枠を買取る形式と、設定された表示回数によって料金が発生する形式の2種類があります。スマホやテレビでは制限はありませんが、パソコンは動画再生時間30秒の制限がつきます。

料金体系

上記の通り、期間で広告枠を買取る料金体系と、表示回数で料金が発生する料金体系があります。後者は2019年の2月からはじまったばかりの料金体系です。

大きな費用がかかると言われていた広告枠の買い取り式よりもコストを抑えられ、手軽に出せるようになっています。

メリット

  • 幅広いユーザーに大きく広告を表示できる
  • 潜在ユーザーの興味喚起を引き出すことが可能

解説

元々、新しいサービスや商品を幅広く認知させたい場合や短期間でできるだけ多くのユーザーへ広告を届けたい場合に適していたのがマウスヘッド広告です。1日1社限定で枠を抑えるのに高い費用を必要としましたが、2019年から表示回数によって課金される料金体制も導入。これに伴い、1日1社の制限も外れ、ターゲット設定も可能となりました。

GoogleによるとYouTubeのトップ(ホーム画面)から動画を視聴する回数は過去3年で10倍に膨らんだとのこと。認知には高い効果が期待できます。出稿はGoogleの営業担当を通して行います。

YouTubeの動画広告は目的に合わせて選ぶ!

5種類のYouTube広告を紹介しましたが、それぞれのサービスや目的によって適切な広告タイプは違ってきます。また、広告のクリエイティブの内容も重要です。たとえばバンパー広告とインストリーム広告では、動画の内容やメッセージ、理想とする動画の設計なども変わってきます。

伝えたいこと・ターゲットを明確化し、より効果的なYouTube広告を選びましょう。