X(旧Twitter)やInstagram、TikTokなどとは異なり、LINEは拡散性がほとんどないクローズドな媒体です。しかし、月間アクティブユーザー数は9,500万人を超え(2024年10月時点)、日本国内で最も多く利用されているSNSであるという大きな強みが存在します。

幅広い世代に親しまれているLINEには、企業や店舗が友だち追加してくれたユーザーに対して情報を発信できる「LINE公式アカウント」というサービスが搭載されています。上手く活用できれば、集客や販促に大きく貢献してくれるでしょう。

そこで本記事では、LINE公式アカウントの活用に成功した事例を紹介するとともに、運用を軌道に乗せるために重要なポイントを解説していきます。

※株式会社フリースタイルエンターテイメントでは、LINE公式アカウントをはじめとするSNSの運用支援、コンサルティング、デザイン作成など幅広くご支援しています。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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【LINE公式アカウント】LINEとはどう違う?

LINEを個人で利用する場合とLINE公式アカウントの最大の違いは、メッセージの送信対象にあります。LINEを個人で利用する場合は1対1や複数人のグループでのやり取りがメインであるのに対し、LINE公式アカウントでは1対多数のコミュニケーションが可能です。

LINE公式アカウントでは、友だち追加してくれたユーザーに対してイベントの案内や新商品の告知といったお知らせを一斉に配信することができます。加えて、以下のような機能が搭載されており、ユーザー個人とより密なコミュニケーションを取ることも可能です。

メッセージ配信 一斉配信:友だち全員にメッセージを配信する
絞り込み配信:友だち期間・性別・年齢・エリアなど属性を絞り込んでメッセージを配信する
カードタイプメッセージ カルーセル形式で複数のコンテンツを1つにまとめて送信する
リッチメニュー LINEのトーク画面下部に固定でメニューを表示させる
ショップカード LINE上でポイントカードを発行・管理する
LINEチャット 友だちと1対1でメッセージをやり取りする
クーポン LINE上でデジタルクーポンを発行・管理する

企業にとって、LINE公式アカウントはユーザーとの距離を縮める有効な手段の1つだと言えるでしょう。

LINE公式アカウントの成功事例6選

LINE公式アカウントをうまく活用して、集客や販促に役立てている企業の事例を紹介していきます。

長沼精肉店

実店舗とECショップの両方を展開する、埼玉県加須市の長沼精肉店。「長沼精肉店に聞きたいこと」というテーマでユーザーからの質問を募集し、チャットに寄せられた多数の相談に回答するなど、1対1のコミュニケーションを重視しているのが特徴です。

ユーザーの意見を販売戦略にうまく活用している点も強みだと言えるでしょう。チャットで多くの質問が寄せられた食材をECショップで商品化し、大きな反響を集めています。

1対1でのコミュニケーションはユーザーに特別感を抱いてもらいやすく、店舗の存在を身近に感じてもらえるきっかけとなり得るため、ぜひとも積極的に取り入れたいものです。

韓国語ならK Village

全国10教室とオンラインで韓国語レッスンのサービスを提供する株式会社K Village Tokyo。Webサイト経由のコンバージョン(体験レッスンの申し込み)が伸び悩んでいることを受けてLINE公式アカウントを開設しました。

大きな強みとして挙げられるのは、コンバージョンに繋がりやすいよう工夫されたアカウント設計です。トーク画面の下部に固定で掲載されるリッチメニューや、画像を掲載できるカードタイプメッセージといった目立つ箇所で体験レッスンについて訴求しています。

LINE公式アカウントに搭載されている多様な機能は、うまく活用すれば株式会社K Village Tokyoのように洗練された導線設計を実現してくれます。

まじめな車屋・ファンタジスタ

東京都港区に位置する株式会社ファンタジスタは、中古車購入に関わる業者オークションの代行やその販売を行う企業です。

株式会社ファンタジスタのLINE公式アカウントを友だち追加した際に送信される挨拶メッセージでは、事業の概要について説明する動画を発信しています。これにより、自社のサービスや事業内容が伝わりづらい点をカバーしています

ユーザーからの問い合わせには、原則LINEチャットで対応しています。細やかな対応を徹底したり、トーク履歴を残したりすることでトラブルを防止。中古車という高額な商材に合わせたアカウントの活用方法が特徴的だと言えます。

お部屋探しのハートサポート

株式会社お部屋探しのハートサポートの最大の特徴は、申し込みから入居まで、サービスそのものをLINE公式アカウントで全て完結させている点にあります。

  • 初期費用を比較する
  • 初期安を探す
  • 物件資料を取得する

自身のフェーズに応じて選択できる上記のようなボタンをリッチメニューに掲載している他、LINEチャットでの丁寧なやり取りにより成約までのフローをスムーズにしています。

熊本市

熊本市のLINE公式アカウントでは、最初のメッセージで受信設定が行えるようになっています(専用のAPIツールを活用)。年代や性別、居住エリア、受信したい情報のジャンルを選択してもらうことで、効率の良いセグメント配信を可能にしています。

道路の異常や資源物持ち去りといった情報を市民が提供できる機能を実装し、行政サービスと連携している点も大きな特徴です。

市民にとっては地域情報を得られる便利なツールとして、市にとっては行政サービスの充実化や工数削減に寄与する存在として、LINE公式アカウントが大きな役割を担っています。

B.LEAGUE(Bリーグ)

国内男子プロバスケットボールリーグ・B.LEAGUEは「Bリーグを好きになってもらって入場者数を増やす」ことを掲げてLINE公式アカウントを運用しています。

  • Bリーグの概要を知る
  • 自分が応援するクラブに合わせてカスタムする
  • 試合日程を確認する
  • 試合の観戦チケットを購入する

リッチメニューが充実しており、それぞれのボタンから上記のようなアクションが可能。アリーナに足を運んでくれるユーザーの「楽しいを増やす」「ストレスを減らす」を実現しています。

男子日本代表がパリオリンピックの出場権を獲得した際には、試合終了直後にメッセージを発信して通常の1.5倍の開封率を記録しました。こうしたタイムリーな情報発信ができるのも、LINE公式アカウントの魅力の1つです。

LINE公式アカウントの特徴

ここからはLINE公式アカウントの特徴について、他のSNSと比較しながら解説していきます。

  • 拡散性が低い
  • メッセージの反応率が高い
  • 友だち追加のハードルが高い

拡散性が低い

LINEは発信した内容がWeb上に公開されることのないクローズドなSNSです。友だち追加したユーザー以外は企業側が発信する情報を閲覧できません

X(旧Twitter)やTikTokのように1つの投稿をきっかけに一気に話題を集めたり友だちが一気に増えたり、なんてことはまず起こり得ません。商材やサービスの認知度拡大を最大の目標とするのであれば、他のSNSの方が適している場合もあります。

メッセージの反応率が高い

LINE公式アカウントで発信するメッセージは、LINEユーザー同士のメッセージと同様にポップアップやバッジで直接通知されます。コンテンツが無数の投稿に埋もれてしまうことも多い他のSNSとは異なり、メッセージを見てもらいやすいのも大きな特徴の1つ。

LINEでは2020年から「友だち/グループ/公式アカウント」とトークをフォルダ分けする機能が追加されました。そのため、以前に比べると公式アカウントのメッセージは開封されづらい傾向にあります。

ただ、それでもLINE公式アカウントのメッセージの開封率は2024年10月時点で40%を超えています。同じく配信ツールであるメールマガジンの開封率が15~25%であることを考えると、反応率の高さはLINE公式アカウントの大きな長所だと言えるでしょう。

友だち追加のハードルが高い

LINE公式アカウントはメッセージの反応率が高いと前述しましたが、反応率の母数はあくまで友だち追加してくれたユーザーのみです。友だちが増えない限りメッセージを発信しても読んでもらえず、販促や集客には繋がりません。

ただ、LINE公式アカウントの友だち追加は、他のSNSにおけるフォローに比べてかなりハードルが高いです。

InstagramやTikTokではフォロワー以外にもコンテンツが表示され、それらをきっかけとしたフォローが期待できます。一方、LINE公式アカウントを友だち追加するには、ユーザー自らQRコードを読み取ったりアカウント名を検索したりしなければなりません。

LINE公式アカウントの料金プラン

LINE公式アカウントの料金プランは以下の通りです。

  コミュニケーションプラン ライトプラン スタンダードプラン
月額固定費(税別) 0円 5,000円 15,000円
無料メッセージ通数(月) 200通 5,000通 30,000通
追加メッセージ料金(税別) 不可 不可 〜3円/通


本記事の前半で紹介した基本的な機能は全てのプランで使用できるため、コミュニケーションプランを選択して無料で運用することも可能です。

ただし、友だち数が多く一度に大量のメッセージを送らなければならない、あるいはメッセージを送信する機会の多い企業はスタンダードプランを利用するのが良いでしょう。

LINE公式アカウント活用を成功させるポイント

LINE公式アカウントを集客や販促に繋げるために押さえておきたいポイントとして、以下の6点が挙げられます。

  • ターゲット・運用の目的を明確にする
  • 友だちを増やす仕組みを整える
  • 友だちの属性に応じてアプローチを使い分ける
  • メッセージを配信する時間帯・頻度にこだわる
  • クリエイティブを積極的に活用する
  • 細やかな個別対応を心掛ける

ターゲット・運用の目的を明確にする

LINE公式アカウントの運用を開始する前に、何のために運用するのかを必ず明確に定めておきましょう。コンテンツの内容を検討する中で判断に迷っても、「目的の達成に繋がるかどうか」を基準に戦略を練ることができます。

ターゲットを定めておくことも重要で、本来集客したいユーザー層と友だち追加してくれたユーザーが一致しているかを常に把握しておくべきです。

集客したいユーザー層が友だち追加してくれている場合は、コンテンツの内容を最適化することに力を入れるのが望ましいでしょう。ターゲットとは離れたユーザーが友だちの大半を占めているのであれば、友だちを集める施策を再度検討し直すことが求められます。

このように、適切な戦略に沿ってLINE公式アカウントを運用するためには、目的やターゲットとするユーザー層をはっきりと定めておくことが欠かせません。

友だちを増やす仕組みを整える

先述したように、友だち追加のハードルが高いことはLINE公式アカウントの大きな特徴の1つです。企業側から何もアクションを起こすことなく、ユーザーにアカウント名を検索したりQRコードを読み込んだりしてもらうことは難しいでしょう。

店頭や他のSNS媒体でアカウントの存在を告知する、クーポンやお得な情報などのメリットを提供するなど、アカウントそのものに興味を持ってもらうための工夫が求められます。

友だちの属性に応じてアプローチを使い分ける

  • 性別
  • 年齢
  • OS
  • 地域
  • 友だち追加してからの期間
  • 友だち追加の経路
  • 特定のメッセージ開封/リンククリックの有無
  • LINE予約の利用有無

LINE公式アカウントには、上記のような条件でターゲットを絞り込んでメッセージを配信する機能が搭載されています。充実した絞り込み機能を利用し、ユーザーの属性やニーズに合わせてアプローチ方法を変えるのが良いです。

友だちの属性に応じて発信するコンテンツを分けることには、メッセージの無駄打ちを防げるというメリットもあります。1ヶ月に配信できるメッセージの数が限られている中で、送信するメッセージ数を最小限に抑えられるのは大きなメリットだと言えるでしょう。

メッセージを配信する時間帯・頻度にこだわる

メッセージの配信時間は、ターゲットの生活リズムに合わせることを意識しましょう。タ-ゲットがアプリを利用しない時間帯にメッセージを送ると、仮に通知に気づいてもらえても開封するのを後回しにされる可能性が高く、そのまま忘れられてしまいかねません。

コンテンツを発信する頻度も重要です。LINE公式が推奨する月2~4回を目安に、多くても週1回程度に留めておくのが良いでしょう。

配信頻度が高すぎると、しつこい印象を与えてしまいブロックされやすくなるほか、未読のメッセージを一気に確認されてしまうと全て読んでもらえない可能性が高いです。

細やかな個別対応を心掛ける

LINE公式アカウントにはチャット機能が搭載されており、ユーザーと1対1でコミュニケーションを取ることが可能です。メールや電話に比べて時間や場所を選ばず、気軽にメッセージを送れることから、ユーザーとの距離を縮めるのに最適な手段の1つだと言えます。

先述したようにLINE公式アカウントから送信できるメッセージの数には限りがありますが、1対1のチャットで送るメッセージは制限の対象外。コストを気にせずやり取りできるのも嬉しいポイントです。

個別での相談や問い合わせに対応する、サービスを利用してくれたお客様にアフターフォローの連絡を入れるといった活用方法を取り入れてみてください。

LINE公式アカウントを運用する際の注意点

LINE公式アカウントの利用規約では、第三者の商材やサービスを宣伝することは禁止されています。近しい関係にある人の企業や店舗であっても、自社アカウントの友だちに紹介するのはNGです。

許可なく他社や他店を宣伝してしまうと、ペナルティの対象となりかねません。中にはアカウントを停止されるケースもあり、これまで築いてきたユーザーとの関係値が全て無くなってしまう恐れがあるため注意が必要です。

LINE公式アカウントでお客様との繋がりを強化しよう

拡散性では他のSNSに劣るLINE公式アカウントですが、メッセージを友だちに見てもらいやすい点は大きな強みだと言えるでしょう。加えて、非常に幅広い機能が搭載されており、発信できるコンテンツも多岐に渡ります。

まずは今回ご紹介した事例の中から、自社で効果を発揮してくれそうな使い方を取り入れてみるのが良いでしょう。様々な機能を試しながら、自社にとって最適な活用方法を見つけてみてください。

株式会社フリースタイルエンターテイメントでは、LINE公式アカウントを始めとするSNS運用を支援しております。アカウントを開設したいけれど何から始めれば良いのかわからない、自社の商材やサービスに適した運用方法を知りたいなどお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。

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