国内で6,600万人以上が利用する(2024年10月時点)Instagramは、今や最も影響力の大きいSNSの1つです。他のSNSやWeb媒体に比べてユーザーの消費行動に強く関わっていると言われているのも大きな特徴であり、ビジネスシーンでも注目を集めています。

ただ、数多くのインフルエンサーや企業が参入して飽和状態にあるInstagramで集客や販促を成功させるためには、年単位で継続的に運用することが欠かせません。最短で効果を得たいと考える企業が検討するべき選択肢として、Instagram広告が挙げられます。

本記事ではInstagram広告の種類や配信面、課金方式など詳しく解説していきます。

Instagram広告の特徴

女性や若者に人気のSNSというイメージが強いInstagramですが、40代以上の利用者も近年増えており、幅広いユーザーにリーチすることができます。お店や商品などの情報を集める手段としても手軽に利用され、購買行動のきっかけになりやすいのも特徴です。

画像や動画の投稿に特化しており視覚的、聴覚的な訴求に優れているのが大きな強み。商材やサービスの魅力の発信、ブランディングに活用しやすいSNSだと言えるでしょう。

そんなInstagram内で出稿できる広告の特徴として、種類や配信面が豊富であることが挙げられます。後ほど詳しく解説しますが、画像カルーセルや縦長の動画、商品のタグがついたクリエイティブなど様々な形の広告を配信することが可能です。

それぞれのフォーマットの特性を理解し、自社の商材やサービスに合わせて効果的に活用できるかどうかが、Instagram広告の費用対効果を高める鍵になると言えるでしょう。

Instagram広告の配信面

Instagram広告は以下4つの場所に配信することができます。

  • フィード
  • ストーリーズ
  • リール
  • 発見タブ

フィード

Instagramのアプリを起動するとすぐに表示されるフィードは、配信した広告がユーザーの目に留まりやすい傾向にあります。

フィードにはフォローしているアカウントの投稿に加え、ユーザーの興味関心に基づいた関連性の高い投稿が表示されます。フィードに配信した広告は一般の投稿に溶け込みやすく、違和感なく見てもらえる可能性が高いです。

ストーリーズ

一般のユーザーが24時間限定で投稿するストーリーズの間にも、広告を配信することができます。全画面で表示されるため視覚的なインパクトが強く、ユーザーの注目を集めやすいのが特徴です。

ストーリーズに配信した広告は、一般の投稿とは異なり24時間で消えるということはありません。

リール

リールは短尺動画を作成できる、TikTokと類似した機能です。下から上にスワイプすると次々と表示される動画の間にも、広告を配信することができます。

Web上でもタイムパフォーマンスを意識する傾向が見られる昨今、隙間時間に視聴でき、自ら検索しなくても受動的に情報を収集できるショート動画が盛り上がりを見せています。

そういった背景も影響し、次々と流れる動画の合間に表示されるリール広告は自然に受け入れられやすい傾向にあります。

発見タブ

アプリ下部にある虫眼鏡マークをタップすると開かれる発見タブでは、Instagramのアルゴリズムによってユーザーの興味関心が推測され、関連度の高いコンテンツが表示されます。

発見タブに配信した広告はコンテンツの間に表示され、違和感なく見てもらえるのが特徴です。とはいえ、興味を持ってクリックしてもらえなければ意味がありません。悪目立ちしない、かつ数ある投稿の中で目を引くクリエイティブを作成することが求められます。

Instagram広告の種類

Instagram広告には以下の9種類があります。

  • 画像広告
  • 動画広告
  • ストーリーズ広告
  • ショッピング広告
  • カルーセル広告
  • コレクション広告
  • 発見タブ広告
  • ブランドコンテンツ広告
  • アンケート広告

それぞれ詳しく解説していきます。

画像広告

画像1枚とテキストで構成される、Instagram広告において最も基本的なフォーマットです。必要なクリエイティブは画像1種類のみであるため運用管理がしやすく、初めてInstagram広告を出稿する方におすすめのフォーマットだと言えます。

他の投稿に溶け込みやすいのも大きな特徴であり、ユーザーに嫌悪感を与えづらいです。その一方で、数あるコンテンツに埋もれてしまいやすいという側面もあります。

この後ご紹介する他の広告にも言えることですが、数多くの投稿と並んでも目を引く魅力的なクリエイティブを作成することが求められます。

引用元:https://www.instagram.com/apple/

動画広告

最長60秒(2024年10月時点)の動画とテキストで構成されるフォーマットです。映像と音声を組み合わせて、画像広告よりも多くの情報を伝えることができます

広告が表示されると同時に自動的に動画が再生されるため、ユーザーに見てもらえるハードルはそれほど高くありませんが、いかに視聴を継続してもらえるかが重要です。インパクトのある演出やストーリー性を盛り込んだコンテンツを作る必要があります。

引用元:https://www.instagram.com/seven_eleven_japan/

ストーリーズ広告

Instagramユーザーの大半が日常的に活用するストーリーズに配信されるフォーマットであり、端末の画面いっぱいに表示されるインパクトのあるビジュアルが最大の特徴です。

一般の投稿とは異なり24時間で消えることはなく、他のストーリーズの間に差し込まれる形で配信されます。画像と動画のどちらにも対応しているため、商材の特性や配信戦略などに応じて選択するのが良いでしょう。

一般の投稿をスワイプしている合間に表示されるため見逃されるリスクが低く、自然にユーザーの目に入りやすいのも魅力です。ただし、簡単にスキップされやすい点に留意しておくべきでしょう。特に動画の場合は、冒頭でユーザーの興味を引く工夫が欠かせません。

引用元:https://www.instagram.com/meiji_bulgariayogurt/

ショッピング広告

Instagramには投稿に専用の商品タグを設置し、そこからECサイトの商品ページに直接遷移してもらえるショッピング機能が搭載されています。商品タグをつけた投稿は、ショッピング広告として配信することが可能です。

ショッピング広告の大きな強みは、ユーザー導線を設計しやすいことです。投稿内の画像や動画、テキストで商品の魅力をアピールして商品理解を深め、購買意欲を高めてもらった状態でそのままECサイトに誘導することができます。

引用元:Instagramショッピング を使って目的の顧客にリーチする

カルーセル広告

カルーセル広告では、最大10点(2024年10月時点)の写真や動画、テキストを使って商材の魅力を発信することができ、主に以下のようなシーンで活躍してくれます。

  • サービスの内容を多角的に説明したい
  • 商材の魅力について順を追って伝えたい
  • 事業について理解を深めてもらいたい

複数のクリエイティブを用意する必要があるため、スケジュールに余裕を持って準備を進めていくのが良いでしょう。

引用元:https://www.instagram.com/botanist_official/

コレクション広告

メインとなる画像もしくは動画の下に複数の商品画像を表示できる、オンラインで販売する商材を取り扱う企業に特におすすめのフォーマットです。

前述したカルーセル広告ではスワイプしないと次の画像を見てもらえないのに対し、コレクション広告ではファーストビューから複数のクリエイティブを見てもらえます。

ショッピング機能を活用すればコレクション広告から商品詳細ページ、購入ページへと直接遷移できるため、ユーザーの購買行動を促しやすいです。

引用元:https://www.instagram.com/nosh_fresh/

発見タブ広告

発見タブを閲覧するユーザーは新しい情報をアクティブに求めていると考えられます。発見タブ広告は自社の商材との親和性が高い潜在層にアプローチでき、認知度の向上に大きく貢献してくれるでしょう。

ブランドやサービスの認知度を高めたり、新商品や新店舗に関して広く告知したりする際におすすめのフォーマットです。

ブランドコンテンツ広告

ブランドコンテンツ広告とは、インフルエンサーとして活躍するクリエイターの投稿をそのまま自社の広告クリエイティブとして配信する機能のことを指します。

インフルエンサーが自身のアカウントで配信するタイアップ投稿に対し、ブランドコンテンツ広告は企業の名前で出稿することが可能です。

クリエイティブを新たに作る必要がないほか、第三者であるクリエイターの表現や訴求力を生かしたコンテンツを広告として配信できるのは大きな強みだと言えるでしょう。

ただし、広告主である企業は投稿の内容やコメント欄の編集、管理ができません。発信する内容やユーザーとのコミュニケーションについて、クリエイターと事前に話し合っておくべきです。

引用元:Instagram、ブランドコンテンツ広告の提供開始を発表

アンケート広告

ストーリーズ広告に二択の選択式の質問をスタンプとして追加できる機能のことです。気軽にアクションできることに加え、アクションを起こしてもらうことで広告で配信した内容がより印象に残りやすくなる点が強みだと言えます。

投票結果は後から確認できますが、回答してくれたユーザーのアカウント情報を取得したり、ターゲティングに活用したりすることはできません。

引用元:https://www.instagram.com/dazn_jpn/

Instagram広告の課金方式

Instagram広告の課金方式には以下の4種類があります。

課金方式 単価の目安 推奨されるシーン
CPM
(インプレッション課金)
1表示あたり
0.5~3円
認知度向上を狙いたい
CPC
(クリック課金)
1クリックあたり
40~100円
商品購入やサイト訪問などの
アクションを集めたい
CPV
(再生数課金)
1再生あたり
4~7円
動画をより多くのユーザーに
視聴してもらいたい
CPI
(アプリインストール課金)
1インストールあたり
100~250円
アプリのダウンロードを促したい


※単価はあくまで目安であり、業界や市場の動向、費やす予算などによって大きく変動する可能性があります。

広告を配信する目的や作成するクリエイティブなどに応じて、最も費用対効果の高い課金方式を選択するのが良いでしょう。

Instagram広告のメリット

Instagram広告のメリットとして、以下の2つが挙げられます。

  • ターゲティングの精度が高い
  • 少額から配信できる

ターゲティングの精度が高い

InstagramはFacebookと同じくMeta社が運営するSNSであり、Instagram広告は実名登録が必須となるFacebookのプロフィール情報を活用していると言われています。そのため、他の媒体に比べてターゲティング精度が非常に高いです。

  • 地域(市区町村単位)
  • 年齢(13~65歳)
  • 性別
  • 興味・関心(普段どんな投稿を見ているか、アクションをしているかを元に推定)
  • 行動(端末の利用状況・過去の購入行動など)
  • 属性(学歴・家族構成・職業など)

上記のような項目を活用してターゲットを絞り込めます。加えて、既存顧客の行動をベースによく似た属性のユーザーをターゲティングする類似オーディエンスと呼ばれる機能も搭載されており、見込みの高いユーザーにアプローチすることが可能です。

適切にターゲティングを設定すれば、商材やサービスに興味のありそうなユーザーに効率良く広告を配信でき、高い費用対効果が期待できるでしょう。

少額から配信できる

Instagram広告の最低出稿金額は1日100円であり、自社で運用するのであれば初期費用や月額費用は発生しません。まとまった予算をすぐに確保することが難しいといったケースでも、手軽に始めることができます。

ただし、最低出稿金額やそれに近い金額で十分な成果を生み出すことは難しいでしょう。どれくらいのユーザーに広告を見てもらい、アクションを起こしてもらいたいのかを想定して、無理のない範囲で予算を設定することをおすすめします。

Instagram広告の成果を最大化するポイント

ここからは、Instagram広告の費用対効果を最大限高めるために必要なポイントを解説していきます。

  • 目標・ターゲットを明確にする
  • ターゲティングを絞り込みすぎない
  • ハッシュタグを効果的に活用する

目標・ターゲットを明確にする

Instagram広告を出稿する前に、目標やターゲットを必ず明確に定めておきましょう。配信戦略を策定したり効果測定を実施したりする上で非常に重要な要素であるためです。

Instagram広告を通して目指す姿が曖昧だと、配信結果を正しく評価することが難しくなります。可能であれば、効果測定や費用対効果の算出方法まで事前に決めておけるのが理想です。

ターゲティングを絞り込みすぎない

Instagram広告の高精度のターゲティングを生かしてターゲットを細かく絞った方が効率良く配信できて効果が高まる、と考える方も多いのではないでしょうか。しかし、始めのうちからターゲティングを細かく絞り込むのはおすすめできません

Instagram広告に限らず、運用型の広告では機械学習といって実際に広告を配信して得られた結果から学習し、それを踏まえて広告を配信する場所や予算の配分を調整しています。

配信開始直後からターゲットを絞りすぎてしまうと配信量が小さくなり、機械学習がうまく進まなくなってしまいます。

ハッシュタグを効果的に活用する

Instagram広告では、通常の投稿と同様に最大30個(2024年10月時点)のハッシュタグを追加することができます。自社の商材やサービスとの関連性や、同じハッシュタグを使用している投稿の数などを踏まえて選定するのが良いでしょう。

Instagramで情報を集めるユーザーの多くは、ハッシュタグによる検索を日常的に活用していると言われています。ハッシュタグ検索で能動的に情報を収集しているユーザーに広告を見つけてもらうことで、より強く関心を集められる可能性が高いです。

Instagram広告で目的を達成しよう

Instagram広告の特徴である精度の高いターゲティングや多様な広告フォーマットを最大限に生かすことができれば、集客や販促への大きな貢献が期待できます。

今回お伝えした各種広告の特徴を踏まえ、自社の商材やサービスと相性の良い配信面やフォーマットを吟味した上で効果的な広告を配信してみましょう。

また、配信して終わり、ではなく改善を繰り返しながら運用していくことも大切です。ユーザー行動や競合の動きを踏まえて予算やクリエイティブの最適化を続け、費用対効果を高めてみてください。

株式会社フリースタイルエンターテイメントはInstagramの運用(企画・投稿作成・分析など)から広告配信まで幅広くサポートを行っております。お悩みやご不明点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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