GoogleやYahoo!、Bingなどの検索エンジンに広告を配信できるリスティング広告は、効率的に運用できれば高い費用対効果が見込めるため、多くの企業が取り組んでいます。しかし、リスティング広告の配信を検討している方の中には、リスティング広告に使う費用をどのように決めれば良いかわからないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

そこで、本記事ではリスティング広告の予算の決め方や費用相場、予算を抑えて運用するためのポイントを解説します。

※株式会社フリースタイルエンターテイメントでは、リスティング広告をはじめとする各種Web広告の運用代行を承っております。ぜひお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ

リスティング広告とは

リスティング広告とは、検索エンジンでユーザーが検索したキーワードに対して検索結果に広告を表示する「検索連動型広告」と、Webサイトやアプリに埋め込まれた広告枠に広告を配信する「ディスプレイ広告」の総称です。しかし、一般的には検索連動型広告として認識されている場合が多いため、本記事でも「リスティング広告=検索連動型広告」として説明します。

リスティング広告は、広告主が任意のキーワードを設定し、自然な形で検索結果の上部に広告を配信できるため、他の配信形態と比較してクリック率が高いという特徴があります。そのため、SEOで競合が多く上位表示が難しいキーワードや、商品やサービスの成約に直結しそうなキーワードで上位表示させたい場合に有効な広告形態です。

リスティング広告を配信できる検索エンジン

現在、国内でリスティング広告を配信できる検索エンジンは、以下の3つです。

  • Google
  • Yahoo!
  • Bing

上記は国内におけるシェア率TOP3の検索エンジンで、2024年11月現在は、Google→Yahoo!→Bingの順に利用率が高いです。しかし、デスクトップではYahoo!よりもBingの方が利用率が高いため、商材・サービスの特性やターゲットユーザーに合わせて媒体を選定することが重要です。

参考:statcounter GlobalStats – Search Engine Market Share Japan

リスティング広告の一般的な費用相場

結論から申し上げると、リスティング広告の一般的な費用相場は、月額20~50万円程度だといわれています。しかし、扱う商品やサービス、事業規模などによって実際に各企業がかけている広告費は大きく異なります。

資金力がある企業のように、月額数千万~数億円の予算をかけて運用するケースもあれば、個人事業や小規模事業の場合、月額5万円程度の少額で運用しているケースもあります。最低出稿金額がないので、広告を配信するだけであれば1日の予算を数百円とすることも可能です。

リスティング広告の費用が決まる仕組み

リスティング広告の予算を決める際は、前提としてリスティング広告の費用が決まる仕組みを理解しておくことが重要です。以下の2つの仕組みについて、理解しておきましょう。

  • クリック課金制
  • オークション制

クリック課金制

リスティング広告は、広告が表示されたときに費用が発生するわけではなく、広告がクリックされたときに費用が発生する、クリック課金制(PPC)が採用されています。そのため、広告がどれだけ表示されても、クリックされなければ費用が発生することはありません。

このクリック課金制の最大のメリットは、他の課金方式と比較して無駄な費用が発生しにくく、費用対効果が高いという点です。また、クリック数が成果として見えるため、効果を測定して広告の評価・改善に繋げやすいという特徴もあります。

PPC:Pay Per Clickの略称

オークション制

リスティング広告は、配信を開始すれば必ず広告が表示されるわけではありません。また、広告枠にも最上部・上部・下部などの掲載位置があり、いつ・どの位置で広告を配信するかは、オークション制によって都度決められています。

例えば、「海外留学」というキーワードで広告を配信した際、同じく「海外留学」で広告を出したい競合とオークションにかけられ、最も適切な広告から順に最上部→上部→下部というように、各広告枠にそれぞれ広告が掲載されます。

このオークションでは、「品質スコア×入札単価」で算出される広告ランクで掲載順位が決められます。広告ランクが高いほど上部で表示されやすくなり、広告ランクが低ければ下部で表示される、または広告が表示されない可能性も十分あります。

リスティング広告の費用の決め方

リスティング広告の費用を決める際は、主に以下のように決めるケースが多いです。

  • 目標CV数から決める
  • 目標クリック数から決める
  • 売上から決める

目標CV数から決める

CV数とは、コンバージョン数のことで、最終的に達成したい目標(商品購入や資料請求、会員登録)のことを指します。この目標CV数を設定し、そこから逆算して広告費を決めることで費用対効果がわかりやすくなります。

目標CV数から逆算する際は、目標CPA(Cost Per Action)を設定しておくことも重要です。CPAとは、CVを1件獲得するためにかかった費用のことを指します。目標CPAと目標CV数を掛けることで、月額予算を算出することが可能です。

目標CPA(円/件)× 目標CV数(件)=月額費用(円)

例えば、目標CV数を20件の成約、目標CPAを5,000円と設定した場合、

20件 × 5,000円/件=100,000円

が、1ヶ月あたりの広告予算になります。

目標クリック数から決める

リスティング広告によって、サイトにどれだけアクセスを集めたいという目標がある場合、目標クリック数から逆算して予算を決めるという方法があります。目標クリック数から逆算する場合、広告で設定するキーワードのクリック単価を把握しておかなければなりません。

クリック単価を把握する際には、Googleの「キーワードプランナー」というツールを使いましょう。キーワードプランナーに広告で設定したいキーワードを入力すると、過去のデータからおおよそのクリック単価が表示されます。

同時にキーワードの月間検索ボリュームや競合性なども表示されるので、広告で配信するキーワードを検討する際に、非常に役立つツールです。キーワードプランナーでおおよそのクリック単価がわかれば、目標クリック数とクリック単価を掛けて必要な予算を算出します。

目標クリック数(回)× クリック単価(円/回)=月額予算(円)

例えば、月間1,000アクセスを広告で集めたい場合、クリック単価が250円だとすると、

1,000回 × 250円/回=250,000円

が、1ヶ月あたりの広告予算になります。

売上から決める

自社の売上金額のうち、どれだけ広告費に予算を投下できるかという視点で広告予算を決めるというやり方もあります。目標CV数や目標クリック数から逆算して広告費を決めたとしても、実際に運用してみると思うように結果が出ず、想定していた予算からかけ離れているという状況も十分に考えられます。

いきなり高額な予算で運用することはリスクがあるので避けたい、目標を具体的に決めることが難しいという場合には、売上から広告費を決めることを検討すると良いでしょう。

一概にはいえませんが、ビジネスの世界では売上の5~10%が広告費の目安だといわれています。例えば、売上が500万円の事業の場合、25~50万円がおおよその広告予算になります。

リスティング広告の費用を抑えて運用するポイント

リスティング広告で無駄な費用の発生を抑えつつ、費用対効果を高めるためのポイントは、以下の通りです。

  • キーワードを精査する
  • 配信ターゲットを限定する
  • 品質スコアを高める
  • 広告表示オプションを設定する
  • 広告代理店に運用を依頼する

キーワードを精査する

費用対効果を高めるためには、キーワードを精査して成果に繋がらないキーワードを停止し、無駄な費用が発生しないようにしましょう。各キーワードのクリック率、クリック単価、コンバージョン率、コンバージョン単価など、様々な指標を参考にして、成果の低いキーワードを見極める必要があります。

また、キーワードのマッチタイプを見直すことで成果が改善する可能性もあります。マッチタイプとは、簡単に表現するとキーワードの拡張性のことで、マッチタイプが広ければ広いほど、関連性が低い検索語句でも広告が表示される可能性が高まります。マッチタイプを絞り込むことで、関連性が低い語句で検索されたときに広告が表示されなくなり、無駄な費用が発生しにくくなるでしょう。

さらに、検索語句を分析して、関連性が低い検索語句は除外キーワードに設定することも重要です。例えば、オーストラリア留学の広告が、「フィリピン留学 費用」「フィリピン 語学留学」という検索語句で表示されていても、求めるサービスや情報が違うので成果に繋がりにくいことが予想されます。このような語句を放置しておくと、成果に繋がりにくいクリックが発生して、無駄に予算を消費することになってしまうでしょう。

設定したキーワードのマッチタイプ変更や停止、除外キーワードの設定などをすることで、費用を抑えられる可能性が高まります。

配信ターゲットを限定する

リスティング広告を効率的に運用するためには、配信ターゲットを限定することが重要です。そのため、広告配信をする前に、どのようなターゲットに広告を配信するべきか明確にしておきましょう。

ターゲットが明確になれば、それに合わせて広告の設定を変更します。具体的には、

  • 年齢
  • 性別
  • 地域
  • デバイス
  • 曜日・時間

などが挙げられます。

これらのターゲット設定をしておくことで、成果に繋がりにくいユーザーに広告が表示される可能性が低くなり、無駄な予算の発生を抑えられるでしょう。

品質スコアを高める

広告ランクを高めることで、効率的な配信ができるということは冒頭で説明しましたが、広告ランクを決定する指標の中に、品質スコアというものがあります。品質スコアは、キーワード一つひとつに紐付けられており、「広告の関連性」や「ランディングページの利便性」などの観点から10段階で評価されます。

品質スコアを改善するためには、広告見出し・広告説明文とキーワードの関連性を高める、ランディングページのコンテンツを拡充させるなどの対策が必要です。品質スコアを高めることで、入札単価を高く設定しなくても広告ランクを高めることができるため、予算を抑えられるということになります。

広告表示オプションを設定する

広告表示オプションを設定することも、広告ランクを高め、予算を抑えることに繋がります。広告表示オプションとは、広告見出しや広告文ではカバーできない様々な追加情報を掲載できる機能です。

具体的には、

  • 画像
  • 住所
  • 電話番号
  • サイトリンク
  • 価格表示
  • 割引表示

などの追加情報を掲載することが可能です。

広告表示オプションがしっかり設定されているほど、ユーザーの目に留まりやすくなったり、提供できる情報量が多くなったりして、クリック率が高まるでしょう。さらに、広告表示オプションを充実させることは、広告ランクを高めることに繋がる可能性があるため、設定できる項目はできるだけ全て設定しておくことをおすすめします。

広告代理店に運用を依頼する

自社で運用してもなかなか思うような成果が得られない場合、広告代理店に運用を依頼することも有効な選択肢です。リスティング広告を効率的に運用するためには、専門的な知識やスキルが必要なので、片手間ではなかなか成果が得られないでしょう。

広告代理店は広告運用のプロなので、最適な運用で費用対効果を高めてくれることが期待できます。広告代理店に依頼する場合は、広告費用とは別に運用手数料がかかりますが、自社のリソースを削減することも可能です。

リスティング広告の運用はプロに依頼しよう

リスティング広告は、クリックされることで費用が発生するクリック課金制の広告です。費用を決める際は、目標CV数や目標クリック数から逆算する方法や、自社の売上から決める方法などがあります。

費用を抑えて効率的に運用するためには、今回ご紹介したようなポイントを押さえておきましょう。リスティング広告を取り巻く状況は毎日変化しているので、細かく状況を分析し、その都度最適な判断をしていくことが重要です。

専門的な知識やスキルがなくてなかなか成果が出せない、自社で担当できる人材がいないという場合には、広告運用のプロに依頼することも検討しましょう。

株式会社フリースタイルエンターテイメントは、リスティング広告をはじめとした各種Web広告の運用代行を承っております。最適な広告媒体や予算の提案から、日々の運用業務、改善施策の提案など、広告運用にまつわる業務をワンストップで提供します。

お問い合わせ