企業が活用するSNSというと、かつてはX(旧Twitter)やInstagramが中心でした。しかし、ここ数年で利用者数が急速に伸びているTikTokも、企業の集客や採用に役立つSNSとして台頭しつつあります。
TikTokの活用を検討している方の中には、本当に成功するのか、運用を開始するにあたって何から始めれば良いのか分からない、などと不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで、本記事ではTikTokを活用する企業アカウントの成功事例を紹介。企業がTikTokを活用するメリットや、運用を成功させるために重要なポイントも詳しく解説していきます。
※株式会社フリースタイルエンターテイメントでは、TikTokをはじめとするSNSの運用支援、コンサルティング、デザイン作成など幅広くご支援しています。ぜひお気軽にお問い合わせください。
【TikTok】企業アカウントを始めるなら今!
短尺の動画をシェアできる”TikTok”は2016年にリリースされた比較的新しいSNSですが、ここ数年で利用者数が右肩上がりに増加。主に若年層を中心に大きな支持を集めています。
近年では、TikTokを集客や採用に活用する企業も増えています。動画内で紹介された商材が拡散されて爆発的に売上を伸ばす”TikTok売れ”や、採用担当者のユニークな動画が大きな話題を集めるケースを耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
ビジネスシーンでの活用も注目されているTikTokですが、X(旧Twitter)やInstagramに比べると、参入している企業の数はまだまだ少ないのが現状です。競合他社が少ない今、企業アカウントの運用を開始する絶好のチャンスだと言えます。
【TikTok】企業アカウントの成功事例9選
ここからは、TikTokの企業アカウント運用に成功している企業の事例を紹介していきます。
- 集客・販促①キムチの家@佐渡ヶ島
- 集客・販促②BOTANIST
- 集客・販促③長崎バイオパークNAGA BIOPARK
- 集客・販促④焼肉 牛角【公式】
- 集客・販促⑤スタイリー不動産@オシャレなお部屋紹介🏠
- 集客・販促⑥WEGO公式
- 採用①三和交通@TAXI会社
- 採用②株式会社U-NEXT HOLDINGS 新卒採用
- 採用③保育園 キートス(株式会社ハイフライヤーズ)
集客・販促①キムチの家@佐渡ヶ島
佐渡島内のスーパーマーケットや通販でキムチを販売しているキムチの家。
キムチができるまでのストーリーを動画で発信したところ、初投稿の翌日から膨大な数のいいねやコメントが届き、フォロワー数も一気に増加しました。通販サイトでは注文が殺到し、アカウント開設から2ヶ月で売上は40倍以上に跳ね上がったそう。まさに”TikTok売れ”です。
そんなキムチの家の魅力は思わず見入ってしまうキムチの製造工程、そして運営する硲博巳さんとご家族が登場するアットホームな空気感でしょう。
コメント欄に寄せられたリクエストに応える動画も積極的に投稿し、ユーザーとのコミュニケーションの活性化に繋げている点も大きな強みだと言えます。
プロフィールリンク:https://www.tiktok.com/@kimuti.house.jp.ne.co
集客・販促②BOTANIST
BOTANISTは、植物が持つ豊かさと科学の最適なバランスを追求したヘアケア・スキンケア・ボディーケアブランドです。
- 商品の紹介
- ヘアケアの正しい方法
- 天然由来成分に関する植物の紹介
投稿内容は上記のように多岐にわたっていますが、投稿のイメージはブランドのコンセプトに合わせてナチュラルな雰囲気に統一。うまくアカウントの世界観を演出しているのが特徴です。
プロフィールリンク:https://www.tiktok.com/@botanist_official
集客・販促③長崎バイオパークNAGA BIOPARK
長崎県西海市にある動物園”長崎バイオパーク”。園のスタッフだからこそ撮影できる、至近距離から見た動物のリアルな姿を投稿しているアカウントです。
長崎バイオパークの強みは、海外のトレンドを意識した動画作りにあります。例えば、インドネシアでカピバラが流行していた期間には当時人気の音源とハッシュタグを取り入れたカピバラの動画を連投し、再生数を大きく伸ばしていました。
海外のインフルエンサーが発信するコンテンツや使用している音源を積極的に取り入れることでリーチ拡大に成功。なんとフォロワーの90%以上は国外のユーザーだそうです。トレンドを加味したコンテンツ作りの重要性が伺えます。
プロフィールリンク:https://www.tiktok.com/@nagasakibiopark
集客・販促④焼肉 牛角【公式】
全国に展開する焼肉チェーン店の牛角が投稿しているのは、店舗を舞台としたショートドラマです。短尺動画を次々にスワイプして視聴するTikTokユーザーを飽きさせないよう、各コンテンツは1本の動画で完結する短いストーリーにまとめられています。
PR感を打ち出しすぎることなく牛角の投稿であることを伝えるため、動画の最後にロゴマークを表示させるという工夫も盛り込まれています。
プロフィールリンク:https://www.tiktok.com/@gyukaku_official
集客・販促⑤スタイリー不動産@オシャレなお部屋紹介🏠
スタイリー不動産はオンライン接客型の不動産仲介サービスで、TikTokアカウントでは建物の外観や部屋の内装を動画で詳しく紹介しています。
- 最寄り駅や物件の魅力をテキストで大きく端的に打ち出したサムネイル
- 内見に行ったかのような気分になれる動画
- LINE公式アカウントへ遷移するURL(プロフィールに設置)
特徴的なのは上記の3点。LINE公式アカウントへの誘導という明確なゴールが定められており、ユーザーのニーズに従ったコンテンツ作りを徹底することで以下のようなユーザー導線を設計していると考えられます。
- サムネイルで興味のある物件をチェックする
- 気になる動画を視聴して内見に行く物件の候補を絞る
- LINE公式アカウントへ遷移して具体的な相談をする
プロフィールリンク:https://www.tiktok.com/@stylee.estate
集客・販促⑥WEGO公式
WEGOは10~20代を主なターゲットとしており、若年層を中心に利用されているTikTokと非常に親和性の高いアパレルブランドです。
身長別、気温別といった具体的なシーンに合わせたおすすめのコーディネートや最新トレンドアイテムの紹介、流行のチャレンジ企画など幅広いコンテンツを発信しています。
インフルエンサーとして活動するスタッフが多く在籍していることを生かし、実店舗で人気の高いスタッフを動画に登場させていることも大きな特徴の1つです。
プロフィールリンク:https://www.tiktok.com/@wego_official
採用①三和交通@TAXI会社
三和交通は、神奈川県横浜市に本社を構えるタクシー会社です。TikTokに参入した企業としては先駆者のような存在であり、採用活動の強化に成功したアカウントというと、今や1番に名前が挙がるでしょう。
「社長や部長が一生懸命ダンスを踊る」という思い切った企画が注目されがちな三和交通のTikTokアカウント。攻めた企画が”バズる”きっかけとなったことは間違いありませんが、新卒採用の応募数増加に成功した最大の要因は、職場の雰囲気が伝わりやすいことではないでしょうか。
「管理職の方がコミカルにダンスを踊れる明るい職場である」というアピールに成功したことで、若年層が応募するハードルが大きく下がったと考えられます。
プロフィールリンク:https://www.tiktok.com/@sanwakotsu
採用②株式会社U-NEXT HOLDINGS 新卒採用
U-NEXT HOLDINGSは、新卒採用専用のアカウントを運用しています。
- オフィスツアー
- 社員インタビュー
- 社員の1日のスケジュール紹介
- 福利厚生の紹介
- 社内部活の密着
上記のようなコンテンツを発信して会社の魅力をアピール。職場の雰囲気を非常に具体的にイメージできるだけでなく、採用ミスマッチの防止にも貢献してくれるでしょう。
就活あるあるや社員の就活失敗談といった、これから就活を始める方に役立つ情報が揃っているのも、学生にとって嬉しいポイントだと言えます。
プロフィールリンク:https://www.tiktok.com/@unext_holdings_recruit
採用③保育園 キートス(株式会社ハイフライヤーズ)
千葉県で認可保育園事業を展開する株式会社ハイフライヤーズ。運営する保育園キートスのアカウントを通して保育士の応募を集め、採用費を3,000万円以上削減しています。
保育園キートスのアカウントの大きな特徴は、高い投稿頻度を維持してユーザーとの接触機会を増やしていることです。動画を毎日投稿し、さらに月~金曜にライブ配信を行い保育士のリアルを発信しています。
投稿頻度が高いとユーザーにコンテンツを届けられる確率が高まります。アカウントの存在をより強く印象付けることができ、ファン化を促しやすいです。
TikTokの公式サイトでは動画の撮影、編集にかかる時間も踏まえて2日に1回の投稿が推奨されています。ただ、質の高いコンテンツを継続的に発信するための十分なリソースを確保できるのであれば、投稿頻度を増やしていけるのが理想です。
プロフィールリンク:https://www.tiktok.com/@kiitos_staff
企業がTikTokを始めるメリット
先述の成功事例を踏まえ、企業がTikTokを始めるメリットを改めてお伝えします。
- 認知度の拡大を狙いやすい
- 参入のハードルが低い
- 他社との差別化を図りやすい
認知度の拡大を狙いやすい
TikTokの最大の強みは、拡散性の高さにあります。
TikTokのアルゴリズムで他のSNSにはない特徴的な点として、フォロワー数に限らず動画を一定数のユーザーにおすすめしてくれることが挙げられます。一定数のユーザーによって再生された段階で以下のような指標において高く評価されると、動画は一気に拡散されます。
- いいね数
- コメント数
- シェア数
- 平均視聴時間
- 視聴維持率:動画の全体の長さに対する平均視聴時間の割合
- 視聴完了率:動画を最後まで視聴したユーザーの割合
つまり、万単位のフォロワーを抱えるアカウントにも開設したばかりのアカウントにも、動画をバズらせるチャンスが与えられるというわけです。
知名度が高くない企業であっても、質の高いコンテンツを配信すれば、動画が一気に拡散されて認知度がぐんと拡大する可能性も十分期待できます。
参入のハードルが低い
TikTokは、ビジネス用のアカウントであっても無料で開設することができます。「アカウントを作れても動画を撮影するのは大変そう」と考える方もいるかもしれませんが、以下のような機能が搭載されているため安心です。
- 再生速度を調整する
- 楽曲を追加する
- テキストを追加する
- 追加したテキストを音声で読み上げる
- エフェクトを追加する
一般的に動画を撮影する際に必要となる専門機材やソフトを用意しなくても、アプリ1つで簡単に動画の撮影、編集を行うことが可能です。
このように、TikTokは参入するハードルが低く始めやすいSNSだと言えます。
他社との差別化を図りやすい
先程もお伝えしたように、TikTokはX(旧Twitter)やInstagramに比べてアカウントを所有する企業が少なく、ブルーオーシャン状態にあります。
ライバルが多くない今のうちにアカウントの運用を開始して継続的にコンテンツを発信していけば、TikTokを日常的に利用する層への認知拡大という面で一歩リードできるでしょう。
企業がTikTokを始める際の注意点
上記のようなメリットがあるTikTokの企業アカウントですが、以下のような点に注意しながら運用していかなければなりません。
- アプローチできるユーザー層が限られる
- 炎上しないための配慮が求められる
- 音源の著作権に注意する
アプローチできるユーザー層が限られる
TikTok利用者の年齢層の幅は年々広がってきています。とはいえ、中心となっているのは依然として10~20代の若年層です。企業によっては、商材やサービスのターゲットとTikTokのユーザー層が大きくずれてしまう点に留意しておきましょう。
Web集客では、ターゲットに合わせた媒体選びが大きな鍵を握ります。自社の商材やサービスの魅力を届けたい層と、TikTokの利用者の属性が大きく離れていると感じる場合は、別の媒体を活用するというのも選択肢の1つです。
炎上しないための配慮が求められる
TikTokのような拡散性の高いSNSでは特に、炎上に対するリスクマネジメントが必須です。
- さ:災害・差別
- し:思想・宗教
- す:スパム・スポーツ・スキャンダル
- せ:政治・セクシャル
- そ:操作ミス(誤投稿)
上記のようなトピックは「炎上さしすせそ」と呼ばれ、ユーザーに誤解を与えやすく、炎上リスクが高いと言われています。「炎上さしすせそ」に関して企業アカウントが情報を発信する際には、投稿内容を複数人で特に念入りに確認することが望ましいです。
ただ、どれだけ注意していても、企業アカウントの炎上リスクをゼロにすることはできません。フェイクニュースやユーザーの憶測などにより、企業側の意図しないところで悪意あるコメントが寄せられるリスクも考えられます。
万が一炎上してしまった際に迅速に対処できるよう、あらかじめ準備しておくべきです。具体的には、投稿したコンテンツへのコメントや自社について第三者が発信するコンテンツを定期的に確認する、炎上した際の対応策を決めておくといった取り組みが求められます。
音源の著作権に注意する
ユーザーからの反応を集めるには、興味を持ってもらえるコンテンツ作りだけでなく音源選びも重要になります。商材やサービスと同様に、音源も”TikTok売れ”するケースが多いためです。
実際、短尺動画というプラットフォームの特性も影響し、印象的なフレーズや踊りやすい振り付けと一緒にキャッチ―なメロディの音源が爆発的に流行する事例が増えています。
こうしたトレンドの音源を使用すると投稿がおすすめに表示されやすくなる傾向にありますが、音源を選ぶ際には著作権に違反していないことを必ず確認するようにしてください。
著作権を遵守できているか不安な場合は、TikTok公式の音源や、TikTokが包括契約を結んでいるJASRACのような企業が管理している音源を使用すると良いでしょう。
企業がTikTok運用を成功させるために重要なポイント
企業アカウントがTikTok運用を成功させるためには、以下のようなポイントを押さえて運用することが大切です。
- 十分な運用リソースを確保する
- 効果が出るまで運用を継続する
- コンセプト・ターゲットを明確に設定する
- インサイトを活用して効果測定を実施する
十分な運用リソースを確保する
無料で始められ、アプリ1つで動画編集も可能なTikTokですが、質の高いコンテンツを発信し続けて集客や採用に繋げようと思うと、以下のような工程が発生します。
- コンテンツの企画
- 動画の撮影準備
- 撮影
- 動画編集
- キャプションの作成
- 投稿
- アカウントの管理・リプライ対応
こうした工程を少人数で行うのは決して簡単なことではありません。担当者が他の業務と兼任する場合であればなおさらです。企業アカウントを開設したはいいものの、運用にかかる工数が負担となって継続できず、尻すぼみになってしまうケースも多いです。
熱意のある担当者を社内で複数募る、外部の専門家に運用代行を依頼するなどして、事前に十分なリソースを確保した上で運用を開始するのが良いでしょう。
効果が出るまで運用を継続する
TikTok運用の効果は一朝一夕で出るものではありません。始めのうちは商材やサービスのターゲットになかなか投稿を見てもらえない、なんてことも十分考えられます。
どうしても短いスパンで結果を出したい場合はインフルエンサーの活用や広告の配信などが有効的ですが、少なからず費用が発生します。最小限のコストで集客、採用効果を狙いたい場合は、効果が出るまで根気良く運用を継続することが大切です。
コンセプト・ターゲットを明確に設定する
企業アカウントにとってはブルーオーシャン状態であるTikTokですが、一般ユーザーの投稿は無数に溢れています。投稿のコンセプトやターゲットが定まっていないと、数ある動画の中からユーザーの目に留まることは難しいです。
商材やサービスのどんな魅力をアピールしたいのか、どんなユーザーに届けたいのかを明確にすることで、ターゲットに刺さるコンテンツを作成しやすくなります。
「最初に定めたコンセプトに沿っているか」を判断基準として設けておけば、運用方針に迷った際に意思決定がしやすくなるのもメリットの1つです。
インサイトを活用して効果測定を実施する
TikTokアカウントをビジネス用に切り替えると、インサイトで動画の再生回数や平均視聴時間、フォロワー数の推移など様々な数値を確認することができます。
インサイトを定期的に見ることで、アカウントの運用に費やしている人員や時間、お金などに見合う効果が得られているかどうかを確かめられます。再生回数が伸びやすい、あるいは反応を得やすい動画の傾向を掴み、必要に応じて改善施策を講じることも可能です。
動画を投稿して終わりではなく、必ず効果測定を実施して今後を見据えたノウハウを蓄積していきましょう。
TikTokアカウントで集客や採用を強化しよう
TikTokは拡散力が高く、フォロワー数が少ない開設初期の段階でも大きく伸びる可能性を秘めたSNSです。企業の参入はまだ少ないのが現状ですが、活用の仕方によっては商材やサービスの認知度拡大に大きく貢献してくれるでしょう。
今回ご紹介した活用事例や運用を成功させるためのポイントを参考に、企業アカウントの運用を軌道に乗せ、集客や販促、採用に生かしてみてください。
株式会社フリースタイルエンターテイメントでは、TikTokを始めとするSNS運用を支援しております。アカウントを運用したいけれどリソースを確保できない、自社の商材やサービスに適した運用方法を知りたいなどお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。