
顧客に自社のサービスや商材の価値を伝え、意思決定を促す提案書。相手の心を動かし、案件の成否を左右する、ビジネスの現場において非常に重要性の高い資料です。
提案書が相手に与えるイメージに大きく影響する要素として挙げられるのが、デザインです。洗練されたデザインの資料は、提案内容の説得力をぐっと引き上げてくれます。
本記事では、資料作成ツールとして最も代表的とも言えるPowerPoint(パワーポイント)を使った、提案書のデザインや作り方のポイントを解説していきます。伝えたい情報がうまくまとまらない、デザインが垢抜けないなどとお悩みの方はぜひ参考にしてください。

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そもそも提案書とは?企画書との違いは?

そもそも提案書とは、顧客が抱える課題や問題点を明確にし、それに対する解決策や改善案、自社サービスの活用方法などを提示する資料です。顧客の意思決定を促し、案件を受注したり商談を進めたりすることを目的とします。
提案書と混同されやすいのが「企画書」です。両者は広義では同じような資料として扱われることもありますが、厳密には異なる役割を持ちます。
提案書は“課題に対する解決策”を提示するのに対し、企画書は“解決策をどのように実行していくか”という具体的なアクションプランや実施計画を記載したものです。企画書の方が具体性の高い資料だと言えるでしょう。
「伝わる」提案書を作る重要性
提案書の最大の目的は、顧客に「現状の課題が解決できそうだ」と思わせ、提案を受け入れて行動に移してもらうことです。相手の意思決定を強く促し、時には大きな出費をいとわずプロジェクトを進めていくことを決断してもらう必要があります。
提案書はプレゼンとセットで用いられることが多いですが、プレゼン頼みでは相手の心を掴むのは難しいでしょう。どれだけ提案のロジックが優れていても、資料が分かりにくいと説得力が薄れてしまいます。
だからこそ、提案書には「伝わるデザイン」が欠かせません。情報が整理されていて視覚的に理解しやすく、伝えたいメッセージが明確な資料は、相手の心を動かし意思決定を後押ししてくれます。
提案書のパワポデザインにありがちな失敗例

提案書をパワーポイントで作成する際によくある失敗例として、以下の2点が挙げられます。
言いたいことを羅列するだけ
提案書を見て内容を受け入れてもらうためには、「この提案で課題を解決できる」という確証を持ってもらわなければなりません。自社の商材やサービスを効果的にアピールできるよう、情報の整理や順序立った論理展開が不可欠です。
プレゼンを伴う場合も提案書に沿って話を進めていくことが一般的であるため、提案書自体に筋道立った構成と根拠が求められます。
どれだけ顧客の課題に対する解決策と明確な根拠を用意していても、情報をただ並べただけの提案書では、論理が伝わらず意図もぼやけてしまうでしょう。理解の妨げとなり、読み手に余計なストレスを与えることになってしまいます。
主張の一貫性を保ちつつ、読み手の思考の流れに沿った構成を心がけることが、説得力のある資料づくりの第一歩です。
プレゼンありきで内容が不足している
プレゼンと併せて説明することを前提とした資料では、口頭説明に頼りすぎて、必要な情報が資料に十分記載されていないケースが散見されます。
しかし、提案書は上司など別の意思決定者が後から資料だけを見て判断することも想定して作成しなければなりません。「資料を読むだけで内容が伝わるかどうか」を意識して、掲載する情報を慎重に取捨選択することが重要です。
相手に思いが伝わる提案書の構成例
お伝えしているように、提案書には筋道立った論理構成が必要不可欠です。以下に提案書の構成例を示します。
- 表紙
- 提案概要
- 顧客が抱えている課題
- 提案内容による解決策
- 解決策の根拠と理由
- 顧客が得られるメリット
表紙に載せるべき情報は「誰に向けた、どのような資料か」です。一目でわかるように端的にまとめましょう。
提案概要では「何を、どのように解決できる提案なのか」を簡潔に示します。ここで相手の興味を引くことが重要であるため、インパクトのあるフレーズや構成を取り入れるとより効果的です。
提案書を作成する上で特に重要なのが、全体の核となる現状の課題と解決策、そしてその根拠です。課題や解決策を裏付ける際には、図表も活用しながらできる限り具体的に、論理的に伝えることを意識しましょう。
ここまで提案書の構成例をご紹介しましたが、これはあくまで一例であり、正解はありません。
- 顧客への深い理解を示す
- 提案にかける熱意を伝える
- 自社の強みを活かす
顧客の行動を後押しするためには、根拠のある提案はもちろん、上記のような視点で、顧客の状況に応じて最適な構成を検討できるのが理想です。
【パワポ】提案書デザインを作る時のポイント

ここからは、パワーポイントで提案書のデザインを作る際のポイントを解説していきます。
提案内容に合わせた色やフォントを取り入れる
これらは一例に過ぎませんが、以下に示すように、色が相手に与える印象は非常に大きく異なります。
- 青:信頼・安心感
- オレンジ:フレンドリー
- 緑:目に優しい・心の健康・新鮮さ
- 紫:クリエイティブ・革新的
- 黒:ビジネス・ぜいたく
- 白:透明さ・清潔さ
そのため、提案書のデザインにおいても、相手に与えたい印象に応じて色味を調整することが重要です。信頼性を重視したい場合は「青」や「白」を、革新性を伝えたい場合は「紫」を選ぶなど、提案内容やターゲットに応じて最適なカラーを選びましょう。
また、フォントも資料全体の印象を左右する重要な要素です。
一般的に、ビジネスの現場ではゴシック体や明朝体が使われます。ただ、提案書の場合はスクリーンなどで遠くから見ることも想定しなければならないため、線の太さが均一で読みやすいゴシック体を用いることが多いです。
特におすすめのフォントとしては、以下の3つが挙げられます。
- メイリオ(Windows)
- 游ゴシック(Windows)
- ヒラギノ角ゴ(Mac)
これらは画面に表示した際の見やすさに優れており、スクリーン投影やオンライン共有といった利用シーンにも対応しやすいのが特徴です。表示環境に応じてフォントを選び、より伝わる資料を目指しましょう。
プレゼンの現場をイメージする
プレゼンを伴う提案書の場合、スライドの構成が発表内容ときちんと一致しているかを必ず確認しましょう。
PowerPointには、スライド下部にメモを記入できるノート機能が備わっています。話す内容や補足情報、時間配分などを記録しておけば、資料とプレゼンの内容をスムーズにリンクさせることが可能です。
加えて、プレゼンが行われる現場の状況をイメージして資料を調整することも重要です。オンラインでの画面共有、スクリーン投影、印刷配布など、使用シーンに応じた工夫が求められます。
例えば、印刷する場合は行間や文字間を広めに設定し、読みやすさを意識しましょう。オンラインで共有する場合は文字や図を大きめに配置し、表示端が切れないように注意することがポイントです。
過去の提案書を参考にする
提案書を毎回ゼロから作成していると、構成やデザインを一から考える必要があり、非常に手間がかかります。過去の提案書を参考に構成やスライドの見せ方を整えれば、作業の効率化と資料の品質向上を両立することができます。
作成した資料は社内で共有・蓄積し、誰でも簡単に振り返れる仕組みを整えておくと良いでしょう。
ただし、提案相手によって響くポイントや最適な見せ方は異なるため、過去資料をそのまま流用するのではなく、内容を相手に合わせてカスタマイズするようにしてください。
プロに依頼するのも選択肢の1つ
パワーポイントで提案書を作成する際には、構成もデザインも相手にどのような印象を与えたいか、どう受け取ってもらいたいかを意識することが重要です。
提案書の見た目は、相手に与える第一印象を大きく左右します。今回ご紹介したポイントを参考に、相手の心を動かす提案書づくりにぜひ挑戦してみてください。
とはいえ、洗練されたデザインを作るには時間やスキルが必要です。書籍やWeb上のテンプレートを活用するのも1つの手ですが、制作会社に依頼するという選択肢も視野に入れてみましょう。
株式会社フリースタイルエンターテイメントでは、既存資料のブラッシュアップからオリジナルテンプレートの制作まで、質の高い提案書づくりをサポートしています。デザインはもちろん、企画構成・文章作成・資料の組み立てまで一貫して対応可能です。
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