現代のビジネスの現場において、パワーポイントを活用したわかりやすい資料作成は必須スキルの1つ。伝えたい情報を瞬時に届けられる洗練されたデザインのパワポ資料は、訴求力や相手からの信頼度をぐっと高めてくれます。

しかし、配色やレイアウトなどのコツを押さえておかなければ、相手に”伝わる”デザインの資料を作成することは難しいでしょう。資料を作る中で、情報がうまくまとまらない、デザインや配置を考えるのに時間がかかる、など苦戦した経験がある方も多いはずです。

そこで今回は、見やすいパワーポイント資料を作るコツを詳しく解説していきます。

伝わるパワーポイント
制作はお任せください

詳細はこちら

パワーポイント資料でデザインが重要な理由

社外へのプレゼンテーションや社内での研修など、ビジネスの現場で広く活用されているパワーポイント資料。洗練されたデザインの資料は相手にポジティブな第一印象を与え、信頼度を高めてくれます

一方、文字が多すぎる、色が多すぎて目が散るといった資料を見ると、読み手は無意識にストレスを感じてしまいます。情報が頭に入りづらくなり、資料をメールなどで送付する場合は特に、何を言いたい資料なのかさえ伝わらない可能性も考えられます。

資料を作成する上で大切なのは、読み手に負担を与えないデザインを意識することです。読み進めやすいパワーポイント資料を作成するコツについて、この後詳しく解説していきます。

パワーポイント資料を見やすくデザインする11つのコツ

パワーポイント資料を見やすくデザインするコツとして、以下が挙げられます。

1スライド1メッセージを意識する

パワーポイント資料を作成していると、相手に多くの情報を伝えたい場合は特に、ついスライドに文章や図をどんどん追加してしまいがちです。

ただ、情報を詰め込みすぎてしまうと、読み手がスライド全体に目を通し、内容を理解するのに時間がかかってしまいます。何を言いたいのかがわからなくなるだけでなく、最後まで読むのを諦められてしまう可能性もあるでしょう。

1枚のスライドに入れるテーマやポイントは、できる限り1つに絞るようにしてください。「このスライドで言いたいこと」を一言で表せる状態が理想です。

文字数は必要最低限に抑える

文字数が多いと読み手にストレスを与える他、大事な情報が目立ちづらくなります。不要な文章やフレーズは削除し、文字数は必要最低限に抑えましょう。

人間が目を動かさずに一度に知覚できる文字数は9~13文字、また40文字以内であれば10秒程度で内容を理解できると言われています。あくまで目安ですが、見出しとなる部分は13文字以内、詳しく説明する本文は40文字以内にまとめられると良いでしょう。

ただ、無理に文字数を減らすと情報が不足し、内容を正しく理解してもらえません。図や表を活用する、どうしても必要な補足は別スライドに記載するなど工夫してみてください。

文章の改行・行間・配置を調整する

長めの文章を入れる場合、改行についても調整できると良いでしょう。単語の直前や直後といった区切りの良いところで行が切り替わるように調整するのも、読み手に配慮する工夫の1つです。

行間や文頭の位置も、文章の読みやすさに影響します。

パワーポイントにおいてデフォルトで設定されている行間1.0は、英語の文章を読みやすくすることを想定しているとされています。文字サイズや行の数によって適切な値は変わりますが、日本語の場合は行間1.2に設定するのがおすすめです。

文章の配置は左揃えか中央揃えに設定するのが一般的ですが、3行以上になる場合は左揃えにする方が読みやすくなります。

見やすいフォントを使用する

文字の視認性を大きく左右するポイントとして、フォントが挙げられます。等幅である、太字に対応していて強調しやすいといった条件を満たし、可読性を重視して作られた以下のようなフォントがおすすめです。

  • メイリオ(Windows)
  • 游ゴシック(Windows)
  • ヒラギノ角ゴ(Mac)

文字のサイズも、視認性に関わる重要な要素の1つ。印刷スクリーンに投影する、パソコンで画面を共有するといった利用シーンに合わせて調整するようにしてください。使用する文字サイズはタイトル、見出し、本文を想定した3種類程度に抑えると良いです。

図形・文字の配置はしっかりと揃える

スライド内に文字や画像、グラフや表といった複数の要素の大きさを統一しなかったりバラバラに配置したりすると、見づらいだけでなく雑な印象を与えてしまいかねません。スライド内に掲載されている情報の重要度や流れを誤って認識される可能性も考えられます。

各スライドだけでなく、資料全体の統一感も意識したいポイントです。文字サイズや画像の大きさ、配置などが揃っていると相手にすっきりと洗練された印象を与えることができ、スムーズに読み進めてもらえるでしょう。

図形や文字の大きさや配置、間隔などは、資料全体で徹底して揃えるようにしてください

視線の動きを踏まえて要素を配置する

パワーポイント資料を見る相手のストレスを軽減するために意識したいポイントとして、視線誘導を意識したレイアウトを取り入れることが挙げられます。

人間の視線は無意識に左上から右下に移動すると言われており、上の画像の型に合わせて情報を配置することで、スムーズに読み進めやすくなります。

関連性の高い要素はまとめて配置する

関連性の高い要素をまとめて配置するのも、読み手の視線の動きをスムーズにするポイントの1つです。

具体的には、画像や図表の補足文は隣接した位置に配置する、スライドをまたいで情報を載せないといったポイントを意識するのが良いでしょう。スライド間や同じスライド内で視線が行ったり来たりするのを防ぐことができます。

余白を十分に確保する

伝えたいことがたくさんある、大きく強調したい要素があるといった状況では、1枚のスライドに次々と要素を盛り込んでしまいがちです。しかし、資料内に十分な余白がないと見にくくなるだけでなく、読み手に窮屈な印象を与えてしまいます。

スライド全体に加え、図形、枠線内に十分な余白を確保するよう意識してみてください。それぞれの要素を認識しやすくなり、すっきりしたレイアウトを実現させられます。視線の動きを最小限に抑えるため、余白が上下左右均等になるように要素を配置しましょう。

さらに、余白は要素同士のカテゴリをよりわかりやすくする役割も担ってくれます。関連する画像や文章、図表などを分類する際には、まとまり同士の余白も十分に確保できると良いです。

重要度の高い情報は強調する

同じサイズや色の文字や図形だけを用いて資料を作成するとメリハリが生まれず、読み手に優先的に頭に入れてもらいたい重要な情報を認識してもらうことができません。全ての情報を同じように理解しようと思うと、読み手の集中力がそがれてしまうでしょう。

重要度の高い情報は、文字や図形のサイズや太さ、色などを変えて目立たせます。ただし、強調する情報は最低限に絞るよう注意してください。むやみに多くの文字や図形を強調しすぎると、かえってどの要素が重要なのかが伝わりにくくなります。

使う色は3つ以内に絞る

パワーポイント資料に使用する色は、基本的に3色以内に絞るのがおすすめです。バランスの取れた配色になると言われている黄金比率が以下の通り。

  • ベースカラー:70%
  • メインカラー:25%
  • アクセントカラー:5%

メインカラーは、企業を象徴するコーポレートカラーやサービスのイメージカラーとするのが一般的です。ただし、鮮やかな原色の場合は少しくすんだ色味を使用するのがおすすめ。資料を落ち着いた印象にまとめることができます。

どうしても色の数を増やしたい場合には、既存の3色の明度や彩度を調整したもので対応すると良いです。

表・グラフは必要な情報だけ見せる

表やグラフの見せ方にも工夫が必要です。

  • 文字や数字を読みやすくするため罫線は目立たせない
  • タイトル行とデータ行のデザインを区別する
  • テキストと罫線の余白を十分に確保する
  • 目立たせたい部分は背景色や文字サイズなどを変更して強調する
  • 文字が多い場合は記号に置き換える(◎〇△など)

上記のようなポイントを取り入れ、パワーポイント資料の説得力をぐんと高めてみてください。

【場面別】資料デザインで意識したいポイント

  • 印刷して配布される
  • オンライン上の画面で共有される
  • スクリーンに投影される

以下のような様々なシーンで活躍してくれるパワーポイント資料。ただ見やすいだけでなく、活用する場面によって細かな設定を調整することも重要です。具体的なポイントとしては、以下が挙げられます。

  • 印刷する場合は行間・文字の間隔を広めにする
  • オンライン上の画面で共有する場合は文字サイズを意識的に大きめに設定する
  • オンライン上の画面で共有する場合は背景と文字のコントラストを強める
  • スクリーンに投影する場合は彩度の高い色の使用を避ける

オンライン上の画面で共有する場合、パソコンやタブレット、スマートフォンといった様々な機器での視聴を想定することが大切です。視聴環境によっては文字が見づらくなる可能性も考えられるため、いつも以上に視認性を重視する必要があります。

また、スライドに掲載する情報も、相手に説明する機会があるか否かに応じて変わってきます

資料を見せながらプレゼンや報告を行う場合、読み手は資料を軽く見る程度に留め、話を聞くことに集中すると想定されます。資料のみを送付する場合とは異なり、スライドに載せる情報は重要なキーワードや画像のみに抑えるのが良いでしょう。

デザインテンプレートを無料配布しているおすすめサイト4選

デザインに精通していない方であれば特に、一から資料のデザインを作成するのはかなりハードルが高く、時間がかかってしまいます。そこでおすすめしたいのが、Webサイトや書籍で配布されているデザインテンプレートを活用することです。

ここからは、パワーポイント資料のデザインテンプレートを無料で配布しているおすすめのWebサイトをご紹介していきます。

  • Microsoft Creat
  • bizocean(書式の王様)
  • KINGSOFT
  • Canva

Microsoft Creat

パワーポイントの開発元であるMicrosoft社が提供しているテンプレートです。

プレゼンテーションを始め、スケジュールや料金表といった様々な用途に応じた多様なデザインのテンプレートが揃っています。一部のプレミアムテンプレートを除き、誰でも無料でダウンロードして活用することが可能です。

引用元:ソーシャル メディア、ドキュメント、デザイン用の無料テンプレート | Microsoft Create

bizocean(書式の王様)

トライベック株式会社が提供するbizoceanは、様々な用途やファイル形式に対応した約32,000点(2025年1月現在)の書式テンプレートを無料で利用できるサイトです。

ビジネスの現場で活かせる「お役立ち資料」や、専門家が監修するビジネスコラムも無料で閲覧することが可能。デザインテンプレート以外のサービスも豊富なのが強みだと言えます。

引用元:bizocean(ビズオーシャン)テンプレートとハウツーを共有、業務効率を支援する

KINGSOFT

セキュリティソフトを展開するキングソフト株式会社が提供するKINFSOFT。全てのテンプレートを無料で利用できる一方で、ダウンロード後に拡張子を.pptxに変更しなければならない点に留意が必要です。

引用元:無料テンプレートTOP – キングソフト WPS Office テンプレート

Canva

オンラインで使用できる無料のグラフィックデザインツールCanvaも、豊富なデザインのテンプレートを無料で提供しています。テンプレートを基にテキストや画像、図形などを差し替えるだけで、オリジナルのデザインを手軽に作ることが可能です。

引用元:Canva(キャンバ):信じられないほど、素晴らしく

デザインのプロにテンプレートの作成を依頼するのも手

ビジネスの現場において、パワーポイント資料を見やすく作成するスキルは欠かせないものとなっています。今回ご紹介したコツを押さえて工夫を重ね、読み手がスムーズに理解できる資料を作ってみてください。

とはいえ、白紙の状態から洗練されたデザインの資料を作るのはかなりハードルが高く、時間もかかります。見やすい資料を効率良く作成するため、書籍やWebサイトのテンプレートを活用する他、制作会社に依頼するといった選択肢を検討するのも1つの手です。

株式会社フリースタイルエンターテイメントでは、既存資料のブラッシュアップからオリジナルのテンプレートデザインまで、質の高い資料作成を行っています。デザインだけでなく、企画構成や文章作成、資料内容の組立を担うことも可能です。

見やすい資料を作りたいけれどスキルや時間が足りない、などお困りの方は、下記のボタンからサービスの詳細をチェックしてみてください。

伝わるパワーポイント
制作はお任せください

詳細はこちら